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Shopify越境ECの始め方|国内ECとの違いから初期設定まで解説

Shopify越境ECの始め方|国内ECとの違いから初期設定まで解説

最終更新日:2026年06月30日

※この記事は、EC業界で9年以上にわたり、Shopifyを活用したECサイトの構築・運用支援に携わる株式会社SOLSTAR代表取締役・島袋隼が監修しています。

「Shopifyで越境ECを始めたいが、国内向けストアと何が違うのか分からない」「英語化すればすぐ売れるのか不安」。そう感じている方は多いはずです。結論から言うと、Shopifyで越境ECを始めること自体は可能ですが、成否は販売国の選び方、言語・決済・配送・関税対応の設計で大きく変わります。この記事では、Shopifyの機能を並べるだけでなく、どの順番で何を決めるべきかを実務目線で整理します。単に越境ECの概要を紹介するだけでなく、小さく始めて検証しながら広げる進め方まで解説します。

この記事でわかること

  • Shopifyで越境ECを始める前に整理すべき前提
  • 国内ECと違って増える設計項目
  • 販売国、言語、通貨、決済、配送を決める順番
  • 越境ECで失敗しやすいポイントと回避策
  • まずは1カ国から始める現実的な進め方

1. Shopifyで越境ECを始める前に押さえたい前提

最初に押さえておきたいのは、越境ECは「海外向けのページを作れば終わり」ではないという点です。Shopifyには国・地域ごとに言語、通貨、URLをローカライズできる機能がありますが、それだけで売上が立つわけではありません。売り先の国をどう決めるか、どの決済方法が必要か、配送日数や関税の説明をどう見せるかまで含めて設計する必要があります。

そのため、越境ECのスタート地点は「多国展開」ではなく「最初の1カ国目をどう決めるか」です。いきなり複数言語、複数通貨、複数物流を同時に広げると、設定だけでなく運用も複雑になります。まずは販売対象を絞り、最小構成で反応を見るほうが、改善点を見つけやすくなります。

越境ECは「海外向けに売れるか」の検証から始める

越境ECの相談でよくあるのが、「海外展開したい」という目的だけが先行し、どの国の誰に売るかが曖昧なまま構築を進めてしまうケースです。これでは翻訳しても、配送ルールを整えても、商品ページの訴求がずれて成果につながりにくくなります。

最初に見るべきなのは、海外からの問い合わせ実績、SNSの反応、既存顧客の居住地、配送可能な国、利益が出る価格帯です。越境ECはチャネルを増やす施策というより、販売仮説を海外市場で検証する施策として捉えたほうが失敗しにくいです。

国内ECと違い、言語・決済・配送・法規制の設計が増える

国内ECでも商品ページ、決済、配送設定は必要ですが、越境ECではそこに「現地で読みやすい言語か」「現地通貨で見せるか」「関税や輸入税をどう説明するか」「返品対応をどこまで受けるか」といった論点が増えます。

項目 国内EC 越境EC
言語 日本語が基本 販売国に合わせた翻訳が必要
通貨 日本円が基本 現地通貨表示を検討
決済 国内向け手段が中心 現地で違和感の少ない支払い体験が重要
配送 国内送料設計 配送日数、送料、配送可能国の設計が必要
表示・規制 国内ルール中心 輸入規制や税・返品方針の確認が必要

この差分があるため、既存の国内ストアをそのまま英語化するだけでは不十分です。特に離脱につながりやすいのは、送料や関税の説明不足と、問い合わせ対応体制の不足です。


2. Shopify越境ECが向いているケース

すべての事業者が、いきなり越境ECに向いているわけではありません。一方で、条件がそろっていれば、Shopifyは越境ECを始める土台として使いやすい選択肢です。ここでは、特に相性のよいケースを整理します。

すでに国内ECで一定の販売実績がある

国内でどの商品が売れやすいか、どの価格帯で反応が出るか、購入前にどんな質問が多いかが分かっていると、海外向けでも仮説を立てやすくなります。逆に、国内でまだ売れ筋や導線が固まっていない場合は、越境化より前に商品ページや訴求の見直しが先になることも多いです。

すでにShopifyで国内向けストアを運用している場合は、Shopifyの始め方 のような基礎設定をやり直す必要はありません。どの市場に広げるか、既存ストアに越境要素をどう追加するかの設計に集中できます。

海外向けに訴求しやすい商品カテゴリである

ブランド性が伝わりやすい商材、日本らしさが強い商材、リピート性のある消耗品、比較的軽くて配送しやすい商品は、越境ECと相性がよい傾向があります。一方で、壊れやすい大型商品、輸送条件が厳しい商品、国ごとの規制差が大きい商品は、構築前に確認項目が増えます。

ここで重要なのは「向いているカテゴリか」よりも、「どの国に対して、どんな価値で売るか」を言語化できるかです。同じ商品でも、国内での訴求と海外での訴求は変わることがあります。

英語対応や問い合わせ対応の体制を少しずつ用意できる

越境ECは、構築時より運用時に差が出ます。問い合わせへの返信、返品時の案内、配送遅延時の連絡などを最低限回せる体制があるかどうかで、顧客体験が大きく変わります。

完璧な英語運用体制が最初から必要という意味ではありません。まずは英語での問い合わせに対応できる窓口を決め、返信テンプレートを用意しておく程度でも十分なスタートになります。


3. Shopify越境ECを始める手順

ここからは、実際に何をどの順番で決めるかを整理します。Shopifyには Shopify Markets、翻訳、国際配送、関税関連の機能がありますが、機能を先に見るより、意思決定の順番で考えたほうが迷いません。

Step1. 最初に狙う国・地域を1つ決める

最初の1カ国目は、次の3点で絞るのが現実的です。

  • その国に配送できるか
  • 価格帯と送料のバランスが取れるか
  • 商品訴求を現地ユーザーに説明しやすいか

例えば、英語圏だからという理由だけで対象国を決めると、送料や関税、配送日数の説明が追いつかずに離脱が増えることがあります。まずは「売れる可能性」と「運用できる現実性」の両方で見るべきです。

Step2. 言語・通貨・ドメインの見せ方を決める

Shopifyでは Markets を使って国・地域ごとの体験を設定し、翻訳や通貨表示を調整できます。さらに、国際向けのURLもドメイン、サブドメイン、サブフォルダなどで設計できます。

ただし、初期段階では複雑なURL構成を急ぐ必要はありません。Shopify公式ヘルプでも、国際SEOの観点からはサブフォルダ構成が管理しやすく、多くのストアに適していると案内されています。まずは運用しやすい構成で始め、必要に応じて見直す考え方が現実的です。

翻訳についても、いきなり全ページを多言語化するより、主力商品の商品ページ、送料案内、返品ポリシー、問い合わせ導線など、購入判断に直結する箇所を優先するほうが効果的です。

Step3. 決済方法を整理する

越境ECで見落とされやすいのが決済です。日本国内では違和感のない支払い方法でも、海外ユーザーには使いづらいことがあります。Shopify Payments や Markets の設定だけでなく、「現地ユーザーが迷わず決済できるか」を軸に確認する必要があります。

ここで大切なのは、決済手段を増やすこと自体ではなく、離脱要因を減らすことです。まずは主な販売国で違和感の少ない決済体験を優先し、その後に拡張を検討する順番が無理がありません。

Step4. 配送方法と関税・税金対応を決める

Shopifyでは shipping zones や shipping profiles を使って配送ルールを設計できますが、越境ECでは「どこに送れるか」と「追加費用がいつ分かるか」の説明が特に重要です。送料が高い、到着日数が読めない、関税の負担が不明という状態は、購入直前の離脱につながります。

また、Shopify公式ヘルプでは、国際配送で関税や輸入税が発生する可能性があること、条件を満たせば checkout で徴収できることが案内されています。さらに、国際注文では HS code の整備が重要になります。実務上は「徴収できるか」だけでなく、「顧客にどう説明するか」まで決めておく必要があります。

Step5. 公開前に法規制と表示ルールを確認する

越境ECでは、国ごとに輸入規制や表示ルールが異なるため、国別の細かな断定は避けつつ、少なくとも次の点は確認してから公開したほうが安全です。

  • 対象国へその商品を発送できるか
  • 返品条件や返送先の案内を明記できているか
  • 配送日数や追加費用の説明が不足していないか
  • 問い合わせ対応言語をどうするか決めているか

特に、規制や税務は商材と販売国で前提が変わります。記事内では一般論に留め、自社で販売する際は専門家や現地ルールの確認が必要という前提で進めるのが安全です。


4. Shopify越境ECで失敗しやすいポイント

越境ECで成果が出にくいケースには、いくつか共通点があります。ここを先に押さえておくと、構築コストをかけても運用で詰まる事態を減らせます。

翻訳だけで売れる前提で進めてしまう

ページを英語化すると、越境ECに進んだ感覚は得られます。ただし、実際には価格の見せ方、送料の分かりやすさ、返品条件、配送日数の伝え方も同じくらい重要です。翻訳は必要条件ですが、十分条件ではありません。

特にブランド商材では、単語として正しい翻訳より「どういう価値を持つ商品か」が伝わるかが重要です。商品説明の直訳だけでなく、海外ユーザーが判断しやすい構成になっているかを見直す必要があります。

配送や関税の説明不足で離脱される

越境ECでは、購入後に追加費用が発生するかもしれないという不安が、国内ECより強く働きます。配送可否、送料、関税負担の考え方が分かりにくいと、商品自体に興味があってもカート離脱につながります。

そのため、商品ページだけでなく、配送ポリシーやFAQでも補足する構成が有効です。Shopifyの設定が正しくても、顧客に伝わらなければ成果にはつながりません。

問い合わせ対応と返品対応を後回しにする

初期構築の段階では、デザインや翻訳に意識が向きやすい一方で、問い合わせ対応や返品対応は後回しになりがちです。しかし越境ECでは、この運用部分が信頼に直結します。

少なくとも、問い合わせ窓口、返信体制、返品時の案内、配送遅延時の連絡方法は、公開前に決めておきたいところです。ここが曖昧だと、売上が出始めたあとに対応負荷が一気に増えます。


5. 小さく始めるための現実的な進め方

越境ECで重要なのは、最初から大きく広げることではなく、運用できる範囲で検証を回すことです。ここでは、現実的に始めやすい進め方を整理します。

まずは1カ国・1言語・主力商品から始める

最も現実的なのは、販売対象を1カ国に絞り、主力商品を中心に販売を始めるやり方です。これなら、翻訳対象、配送ルール、問い合わせ対応の範囲を抑えられます。

複数国を同時に狙うと、価格、通貨、配送、税、問い合わせの論点が一気に増えます。越境ECの最初の目的は、多国展開そのものではなく、どの市場で反応があるかを早くつかむことです。

広告前に商品ページと配送ルールを整える

集客を急ぐあまり、商品ページや配送ポリシーが未整備のまま広告を始めると、クリックは取れても売上につながりにくくなります。特に越境ECでは、説明不足がそのまま不信感につながりやすいです。

先に整えておきたいのは、商品説明、送料案内、返品条件、問い合わせ導線です。広告やSNS施策は、その土台ができてからのほうが改善しやすくなります。

反応を見てから国や言語を増やす

最初の市場で、どの流入が売上につながるか、どの質問が多いか、返品理由は何かが見えてくると、次の国に広げる際の判断精度が上がります。ここで初めて、言語追加や国追加の投資判断がしやすくなります。

この順番なら、翻訳費用や構築費用を先に膨らませにくく、無駄な拡張を避けやすくなります。越境ECは「広げる前に、まず回す」が基本です。


6. 構築パートナーに相談したほうがよいケース

自社で始められる範囲もありますが、越境ECは設定だけでなく、運用設計まで含めて考える必要があります。次のようなケースでは、構築パートナーに相談したほうが進みやすいことがあります。

Markets設定だけでなく運用設計まで必要な場合

例えば、「英語化はできるが、どの国から始めるべきか決めきれない」「商品ページの見せ方を海外向けにどう変えるべきか分からない」といった状態です。この場合、機能設定より前の設計整理が必要です。

多言語、多通貨、配送、外部システム連携が絡む場合

取り扱い商品が多い、配送条件が複雑、既存の基幹システムや在庫管理と連携したい、といったケースでは、越境対応が単なる翻訳作業ではなくなります。構築と運用の両面で設計が必要になるため、初期段階で整理しておくほうが結果的に手戻りが少なくなります。

国内ストアを活かしつつ越境化したい場合

すでに国内向けのShopifyストアを運用している場合、別ストアで始めるべきか、同一ストアでMarketsを使って広げるべきかは、商品構成や運用体制によって変わります。ここは機能の可否だけでなく、社内の更新フローやCS体制も含めて判断したいポイントです。

もし「どこまでを内製し、どこからを任せるべきか」から整理したい場合は、SOLSTARの 越境EC構築支援ページ無料相談 が参考になります。営業色を強めるより前に、現状整理の相談先として使うのが自然です。


よくある質問

Shopifyで越境ECを始めるには、まず何から決めるべきですか

最初に決めるべきなのは、販売対象の国・地域です。言語や通貨の設定より先に、配送できるか、利益が出るか、問い合わせ対応が可能かを整理すると、必要な設定が見えやすくなります。

越境ECはまず英語対応だけでも始められますか

始めること自体は可能です。ただし、翻訳だけでは不十分で、送料、配送日数、返品条件、関税に関する説明も最低限整えておく必要があります。最初は英語対応と主力商品の整備から始めるのが現実的です。

関税や輸入税はShopifyで対応できますか

Shopify公式ヘルプでは、条件を満たせば checkout で徴収できるケースが案内されています。ただし、利用条件や対象範囲は一律ではないため、販売国、商品、利用中の設定を確認しながら判断する必要があります。

越境ECでは別ストアを作るべきですか

必ずしも別ストアが必要とは限りません。Shopify Markets を使って同一ストア内で国・地域ごとの体験を分ける方法もあります。商品構成、運用体制、CS体制、更新頻度によって、どちらが適するかは変わります。

越境ECを内製すべきか、外部に相談すべきかの判断基準はありますか

販売国が1つで、商品数も少なく、翻訳や問い合わせ対応を自社で回せるなら内製しやすいです。一方で、多言語、多通貨、配送条件、外部システム連携まで絡む場合は、初期設計だけでも外部に相談したほうが手戻りを減らしやすくなります。


まとめ

Shopifyで越境ECを始めることは可能ですが、成果を左右するのは「Shopifyの機能を知っているか」よりも、「どの国に、どの条件で、どの順番で広げるか」を決められているかです。最初から多国展開を目指すより、1カ国・1言語・主力商品から始めて、言語、決済、配送、関税説明、問い合わせ対応を整えながら反応を見るほうが無理なく進められます。

もし、国内向けストアから越境化したい、Markets設定だけでなく運用設計まで含めて整理したい、という段階であれば、Shopifyの始め方料金プランの考え方 もあわせて確認しつつ、必要に応じて 無料相談 で現在の前提を整理するのが近道です。


参考文献

著者プロフィール

島袋 隼(しまぶくろ しゅん)|株式会社SOLSTAR 代表取締役

San Diego State University 経済学部卒。

EC業界で9年以上にわたり、Shopifyを中心としたECサイトの構築・運用支援に従事。これまでに、開発費10億円超の大規模ECサイト開発支援や、年間売上60億円以上のShopify Plusサイトのリニューアル構築・長期運用支援に携わる。

株式会社SOLSTARでは、Shopifyアカデミー認定資格(開発・運営・B2B販売戦略)を取得。ブランドの世界観を大切にしながら、成長フェーズに応じたECサイト構築、Shopify移行、CRM設計、越境EC支援を行っている。

ShopifyやECサイト運営に関する情報を中心に、売上向上や運用改善に役立つノウハウを発信。

関連リンク:SOLSTARについてYouTube

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