最終更新日:2026年08月07日
※この記事は、Shopify開発歴8年以上の株式会社SOLSTAR代表取締役・島袋隼が監修しています。
ECサイトのトップページを作ろうとすると、「おすすめ商品も、ブランドの思いも、キャンペーンも載せたい」と情報が増えがちです。しかし、トップページの役割は、すべてを説明することではありません。初めて訪れたお客様に何を扱う店かを伝え、目的の商品へ迷わず案内し、購入前の不安を減らすことです。本記事では、初心者が押さえたい基本構成を8つに整理し、自社に合う並べ方と、紙でも作れる設計図の手順を紹介します。デザインや開発の知識がなくても、制作会社へ渡せる構成案まで作れる内容です。
この記事でわかること
- ECサイトのトップページが担う役割
- 初心者が押さえたい8つの構成要素
- 商品数や買い方に合った情報の並べ方
- ワイヤーフレームを作る6つの手順
- 公開前に確認したい内容・使いやすさ・安心の項目
目次
1. ECサイトのトップページは「案内板」として設計する

トップページは、実店舗の入口と案内板を合わせたようなページです。お店の特徴を伝えながら、検索機能やカテゴリ、商品一覧へスムーズに案内します。大切なのは、長く滞在してもらうことではなく、次に見るべきページを迷わず選べる状態をつくることです。
訪問者によって、商品の探し方は異なります。欲しい商品が決まっている人もいれば、用途から探す人、まだ何を買うか決めていない人もいます。トップページでは、それぞれの目的に合わせて商品を探せる導線を用意します。購入までの導線設計について詳しく知りたい方は、 ECサイトの購買心理と導線の考え方も参考にしてください。
トップページで伝える4つのこと
トップページでは、まず次の4つを分かりやすく伝えます。細かな情報を加える前に、短時間で内容が伝わるかを確認しましょう。
- 何を販売しているか:商品名、カテゴリ、利用場面を具体的に示す
- この店を選ぶ理由:品質、品ぞろえ、価格、使いやすさなどの違いを示す
- 次にどこへ進むか:検索、主要カテゴリ、代表商品への入口を見せる
- 購入に関わる主な条件:送料、配送、返品など、判断に影響する情報を示す
ブランドの印象をつくる写真や言葉も大切です。ただし、写真だけでは何の商品か分からなかったり、ボタンを押した先が想定と異なったりすると、訪問者は離脱しやすくなります。
トップページは「売る場所」ではなく「商品へ案内する場所」
トップページだけで商品の魅力をすべて伝え、購入まで完結させる必要はありません。商品の詳しい情報は商品詳細ページへ、比較や商品探しは商品一覧ページへ、ブランドの考え方や背景はブランド紹介ページ(Aboutページ)へと役割を分けることで、訪問者が必要な情報を見つけやすくなります。
トップページの各セクションには、「誰に、何を知ってもらい、次にどこへ進んでほしいか」という役割を一つ決めます。役割を説明できないセクションは、掲載を見直す候補です。
2. レイアウトを決める前に4つの材料をそろえる
| 決めること | 考える質問 | 記入例 |
|---|---|---|
| 対象者 | 誰が、どのような状況で訪れますか? | 初めて子ども用の食器を選ぶ保護者 |
| 最初に見せたい商品・カテゴリ | 初めての人が選び始めやすい商品・カテゴリは何ですか? | 年齢別の食器セット |
| 選ばれる理由 | お客様が比較するときの判断材料は何ですか? | 割れにくい、手入れしやすい、贈り物にもできる |
| 購入前の不安 | 問い合わせで聞かれやすいことは何ですか? | 対象年齢、食洗機対応、配送日、返品条件 |
誰に来てほしいかを具体的にする
「20代から40代の女性」のように、年齢や性別だけで考えるのではなく、サイトを訪れる目的まで具体的にします。たとえば、「通勤用の軽いバッグを探している人」「贈る日が決まっていて、ギフトを探している人」のように目的を含めると、トップページに必要な導線や情報が見えてきます。
最初に見てほしい商品・カテゴリを決める
在庫が多い商品や社内で売りたい商品が、初めての人にも選びやすいとは限りません。代表商品、人気カテゴリ、用途別セットなど、店の特徴を理解しやすく、次の比較へ進みやすいものを選びます。
この店が選ばれる理由を具体化する
「高品質」「こだわり」といった抽象的な言葉だけでは、他店との違いが伝わりません。素材、作り方、選びやすさ、発送の早さなど、商品やサービスの事実に結び付けて伝えます。根拠のない最上級表現や成果の保証は避けましょう。
購入前の不安を書き出す
送料、到着日、サイズ、返品、支払方法など、購入を迷わせる内容を書き出します。すべてをファーストビューへ置く必要はありません。判断への影響が大きいものはページ上部に短く示し、詳しい条件を確認できるページへ案内します。
3. トップページの基本構成8要素
初心者向けの基本形として、トップページは次の8要素に整理できます。すべてを同じ大きさで並べるのではなく、お客様にとって重要なものから優先して配置します。
| 構成要素 | 主な役割 |
|---|---|
| 1.お知らせ欄 | 買い物に関わる重要な変化を伝える |
| 2.ヘッダー | 店の特徴と主要な操作を示す |
| 3.ファーストビュー | 商品・価値・次の行動を伝える |
| 4.カテゴリへの入口 | 商品の探し方を選べるようにする |
| 5.おすすめ・人気商品 | 選び始めるきっかけをつくる |
| 6.安心材料 | 購入前の不安を減らす |
| 7.ブランドや商品の背景 | 選ばれる理由を深める |
| 8.フッター | 案内と必要情報をまとめる |
1. お知らせ欄
ページ最上部の細い欄は、配送の遅れや休業など、注文前に知ってほしい情報に向いています。常に複数のキャンペーンを切り替える場所にすると、読まれにくくなり、画面の動きも増えます。
2. ヘッダー
ヘッダーにはロゴ、主要メニュー、検索、カートなどを置きます。商品数が多い店や型番で探す人が多い店では、検索窓を見つけやすくします。専門店では、商品カテゴリや用途別の導線を優先する方法もあります。
3. ファーストビュー(最初に見える範囲)
ページを開いてファーストビューでは、何を扱う店か、誰のための商品か、次にどこへ進めばよいかを示します。主なボタンは「詳しく見る」ではなく、「新作を見る」「用途から選ぶ」のように移動先が分かる文言にします。
同じ強さの見出しやボタンをいくつも並べると、主役が見えません。ファーストビューでは、最も伝えたいことを一つ選び、ほかの導線はその下に配置します。ヒーロー画像や動画は、商品や利用場面の理解に役立つ場合に使い、表示速度やスマホでの見やすさも確認します。
4. カテゴリへの入口
カテゴリは、お客様が探す言葉で分けます。店の管理方法をそのまま使うと、初めての人には分かりにくいことがあります。アパレルなら商品種類や着用場面、食品なら種類や用途、贈り物なら贈る相手や場面などが考えられます。
5. おすすめ・人気商品
商品を並べるときは、「おすすめ」だけでなく、選んだ理由が分かる見出しを付けます。「初めての方に選ばれているセット」「今の季節に使いやすい商品」のように、対象者や利用場面が分かると選びやすくなります。
6. 安心材料
送料、到着の目安、返品、支払方法、問い合わせ先などを短く示します。認証マークをたくさん並べるより、お客様が迷う条件にすぐ答えるほうが実用的です。詳細は利用ガイドや各案内ページへつなぎます。
7. ブランドや商品の背景
商品そのものだけでは違いが伝わりにくい場合は、素材、作り方、使い方、店の考え方を紹介します。抽象的な理念だけで終わらせず、商品選びにどう関わるかまで示します。
8. フッター
フッターには、会社情報、問い合わせ、利用ガイド、プライバシーポリシー、特定商取引法に基づく表記などへの入口をまとめます。小さな文字で詰め込まず、内容ごとに分け、必要な情報へ迷わず進める名前を付けます。
4. 自社に合うレイアウトは「お客様の探し方」で決める
基本構成が同じでも、レイアウトは店によって変わります。見た目の好みより、お客様がどのように商品を探し、何を不安に感じるかで決めましょう。
| 店の特徴 | 上部で優先するもの | 構成例 |
|---|---|---|
| 商品数が多い | 検索、カテゴリ、人気商品 | お知らせ→ヘッダー・検索→カテゴリ→人気商品→安心材料 |
| 専門性が高い | 誰向けの商品か、用途、代表商品 | 主な価値→用途別入口→代表商品→選び方→安心材料 |
| 再購入が多い | 検索、再購入、定番商品 | ヘッダー・検索→定番商品→再購入の案内→カテゴリ→新商品 |
| 初回購入者が多い | 選び方、比較、送料・返品 | 主な価値→選び方→カテゴリ→安心材料→人気商品 |
商品数が多い店は、検索とカテゴリを上部に置く
商品数が多い店では、大きな画像より検索やカテゴリを優先します。商品名、ブランド、型番など、実際に使われる探し方を検索窓の近くに示します。
専門店は、価値と用途を先に伝える
専門店では、誰のどのような場面に合う商品かを先に示し、用途別、商品種類別、代表商品の順に案内します。
再購入が多い店は、リピート導線を短くする
食品や消耗品など再購入が多い商材では、前回の商品や定番品へすぐ進める導線を用意します。初めての人向けのカテゴリや選び方も残します。
初回購入者が多い店は、安心材料を早めに見せる
サイズ選びや配送への不安が大きい商材では、安心材料を早めに見せます。よくある質問や問い合わせ内容から、ページ上部へ移す情報を決めます。
5. トップページの設計図を6ステップで作る

ワイヤーフレームとは、文章と四角で作る画面の設計図です。色や写真を決める前に、情報の順番、見出し、ボタン、移動先を確認できます。専門のデザインソフトがなくても、紙、付箋、表計算ソフト(ExcelやGoogle Spreadsheetなど)で作れます。
最初から見た目を整えると、あとから情報の順番を変えにくくなります。まずは四角と文字だけで大まかな構成をつくり、内容と順番が決まってから写真や色を選びましょう。これにより、制作途中のやり直しを減らせます。
ステップ1 目的と対象者を一文で決める
「初めて訪れた○○な人を、△△の商品・カテゴリへ案内する」の形で書きます。例は「入学祝いを探す人を、予算別のギフトセットへ案内する」です。
ステップ2 必要な情報を書き出す
商品カテゴリ、代表商品、選ばれる理由、送料、返品、使い方、会社情報などを、一項目ずつ付箋のように書き出します。この段階では順番を決めません。
ステップ3 「必須・あるとよい・後回し」に分ける
購入までに欠かせないものを「必須」、判断を助けるものを「あるとよい」、詳しい説明を別ページで読めるものを「後回し」に分けます。担当部署の希望より、お客様の判断に必要かどうかを優先します。
ステップ4 スマホの縦長画面から並べる
小さな画面では、一度に見せられる情報が限られます。スマホの幅を想定した縦長の枠に、必須の付箋から置きます。ファーストビューが大きな写真だけにならず、商品やカテゴリへの導線が近くにあるか確認します。
ステップ5 各セクションのボタンと移動先を決める
各セクションに、移動先が分かるボタン名を書きます。「サイズから選ぶ」「春の新商品を見る」のように具体的にします。「詳しくはこちら」だけでは、押した後のページを予想できません。リンク先がまだない場合は、制作前に必要なページとして別に書き出します。
ステップ6 可能であれば第三者にも確認してもらう
トップページ案が完成したら、可能であれば、商品や会社を詳しく知らない人に数秒ほど見てもらいます。その後、画面を閉じて、「どのような店だと思ったか」「何が印象に残ったか」「次にどこを見ようと思ったか」を聞きます。
事前にページの目的を詳しく説明したり、「この特徴が伝わりましたか?」のように答えを誘導したりしないことが大切です。伝えたい内容と、実際に受け取られた印象にずれがないかを確認します。
スマホ向けトップページの構成例
- 配送などの重要なお知らせ
- ロゴ・メニュー・検索・カート
- 何を売る店かを示す見出しと主なボタン
- 用途別または商品別のカテゴリ
- 代表商品・人気商品
- 送料・返品・支払方法などの安心材料
- 選ばれる理由や使い方
- 会社情報・利用ガイド・法定表示への入口
この例は完成形ではありません。自社の対象者と買い方に合わせ、不要な項目を外し、必要な項目を上へ動かしてください。
6. 初心者が避けたいトップページの失敗

トップページで起こりやすい失敗の多くは、デザインの良し悪しよりも、情報の優先順位が曖昧なことから生まれます。次の5つは、構成案の段階で確認できます。
画像が粗く、商品の魅力が伝わらない
解像度の低い画像を大きく表示すると、ぼやけや粗さが目立ち、商品の質感や細部が伝わりにくくなります。表示する大きさに合った画像を用意し、パソコンとスマホの両方で、ぼやけや不自然な切り抜きがないか確認しましょう。
社内用語でカテゴリを分ける
部署名、商品シリーズの略称、抽象的な英語だけでは、移動先を予想しにくくなります。お客様が検索や問い合わせで使う言葉へ置き換えます。
情報を詰め込みすぎて、何を見ればよいか分からない
商品、キャンペーン、ブランド情報などを同じ強さで並べると、訪問者はどの情報を優先して見ればよいか判断しにくくなります。情報を探す負担が増えると、迷いやストレスにつながり、ページを離れる原因にもなります。トップページでは伝える内容に優先順位を付け、詳しい説明は商品詳細ページや案内ページへ分けましょう。
パソコン画面だけで確認する
パソコンの画面では横に並ぶ項目も、スマホでは縦に一つずつ表示されます。下に移動した情報が遠くなりすぎないか、文字が小さくないか、ボタンを押しやすいかを実機で確認します。
7. 公開前は「内容・使いやすさ・安心」の3つの視点で確認する

公開前の確認は、見た目の好みだけで終わらせません。「内容が伝わるか」「迷わず使えるか」「安心して買えるか」の3つの視点に分けると、抜けを見つけやすくなります。
自分たちには当たり前の情報ほど、初めて訪れた人には伝わっていないことがあります。商品や会社をよく知らない人にも見てもらい、説明なしで分かるかを確かめてください。
内容が伝わるか
- 何を販売している店かが、短時間で伝わる
- 主な対象者と利用場面が分かる
- この店を選ぶ理由が、具体的な事実と結び付いている
- 最初に見てほしい商品やカテゴリが分かる
- 終了したキャンペーンや古い案内が残っていない
迷わず使えるか
- 主なボタンと移動先が一致している
- カテゴリ名がお客様の言葉になっている
- 商品数が多い場合は、検索窓をすぐ見つけられる
- スマホで主要な導線が遠くなりすぎていない
- 文字が背景に埋もれず、リンクやボタンを見分けられる
- 画像や動画が大きすぎて、表示を遅くしていない
安心して買えるか
- 送料、配送、返品、支払方法を確認できる
- 会社情報と問い合わせ先へ移動できる
- 特定商取引法に基づく表記とプライバシーポリシーへ分かりやすく移動できる
- 価格、割引、在庫、期間の表示に誤解を招く表現がない
- 自動で動く表示を停止できる
公開後は、問い合わせ内容、サイト内検索で使われる言葉、よく押されるカテゴリなどを見ながら順番を見直します。サイト全体の改善点を確認するときは、 ECサイトのCVR改善チェックリストも活用できます。
制作会社や開発担当へは、画像の大きさ、表示速度、スマホでの崩れ、キーボード操作、動く表示の停止について確認を依頼しましょう。初心者が実装方法まで決める必要はありませんが、確認項目として渡すことはできます。
よくある質問
Q. トップページは長いほどよいですか?
長さだけで良し悪しは決まりません。お客様が必要な商品や情報へ進めることが大切です。各セクションの役割を説明できず、同じ内容が重なっている場合は短くします。商品数や選び方の説明が多い店では、必要な長さになることもあります。
Q. ファーストビュー(最初に見える範囲)には何を置けばよいですか?
何を売る店か、この店を選ぶ理由、主なボタンを基本にします。商品数が多い店では検索や主要カテゴリも近くに置きます。送料や配送が購入判断を大きく左右する場合は、その条件も短く示します。
Q. 商品はトップページに何点載せればよいですか?
決まった点数はありません。画面いっぱいに商品を並べるより、代表商品、人気商品、用途別の商品など、選ぶ理由が分かるまとまりを作ります。すべての商品は一覧ページへ案内し、トップページでは選び始めるきっかけを作りましょう。
Q. スライド画像や動画は使ったほうがよいですか?
必須ではありません。商品や利用場面の理解に役立つ場合に限り、表示速度やスマホでの見やすさを確認して使います。まずは1枚の静止画、短い見出し、明確なボタンで内容が伝わるかを確認しましょう。
Q. 制作会社へ依頼する前に何を準備すればよいですか?
主な対象者、最初に見せたい商品、選ばれる理由、購入前の不安を整理し、スマホ向けのワイヤーフレームを用意します。各セクションの見出し、ボタン名、移動先まで書けると、制作会社と目的を共有しやすくなります。
まとめ
ECサイトのトップページは、お客様を探している商品へ案内し、購入前の不安を減らすページです。すべての情報を載せるのではなく、お知らせ、ヘッダー、ファーストビュー、カテゴリ、商品、安心材料、ブランドの背景、フッターを基本に、お客様の探し方に合わせて順番を調整します。
設計するときは、対象者と目的を明確にし、必要な情報に優先順位を付け、まずスマホの縦長画面へ並べます。ボタンの移動先と第三者からの見え方まで確認できれば、制作会社へ共有できる構成案になります。新規構築やリニューアルで社内の意見を整理しにくい場合は、商品数、購入方法、運用体制まで含めて専門家と整理する方法もあります。
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