Shopifyでストアを立ち上げたい。でも社内に詳しい人がいないので、構築は制作会社に頼みたい。そう考えて検索してみると、「おすすめ会社○選」のような一覧記事ばかりで、「結局どの会社を、何を基準に選べばいいのか」がわからない。発注の経験が少ないほど、ここでつまずきます。費用も30万円から300万円超まで開きがあり、見積書を見ても妥当かどうか判断できません。
この記事では、Shopify制作会社の費用相場を整理したうえで、失敗しない7つの選定基準と、見積もり・契約前に必ず確認したいチェックリストを、発注者目線で具体的に解説します。目的別の選び方とよくある失敗の回避策まで読めば、自社に合う会社を自分の判断で見極められるようになります。
目次
1. Shopify制作会社に依頼すべきケースと費用相場の全体像
会社を選ぶ前に、「そもそも制作会社に頼むべきか」と「いくらかかるのか」をざっくり押さえておきましょう。この2つが曖昧なまま比較を始めると、見積書の数字に振り回されてしまいます。
結論から言えば、制作会社が向いているのは「ブランドの世界観を作り込みたい」「外部システムと連携したい」「公開後の運用まで任せたい」といった、要件が多く長く付き合う前提のケースです。とにかく安く早く出したいだけなら、別の選択肢のほうが合うこともあります。
自作・フリーランス・制作会社の違い
Shopify構築の依頼先は、大きく「自作」「フリーランス」「制作会社(構築会社・開発会社とも呼ばれます)」の3つに分かれます。費用・品質・スピード・リスクで整理すると、向き不向きがはっきりします。
| 依頼先 | 費用感 | 品質・対応範囲 | 主なリスク | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| 自作(自社内) | テーマ代+月額のみ(数万円〜) | 既製テーマの範囲。デザイン・機能は限定的 | 工数と学習コスト。品質が担当者の力量に依存 | 商品数が少なく、まず小さく試したい |
| フリーランス | 10〜80万円程度 | 個人のスキル次第。柔軟だが対応範囲は狭め | 属人化・体制リスク。連絡が途絶える可能性も | 予算を抑えつつ部分的に外注したい |
| 制作会社 | 30〜300万円超 | 設計・デザイン・開発・運用まで体制で対応 | 費用は高め。会社選びを誤ると割高に | 要件が多い・長期で伴走を求める |
フリーランスへの依頼を検討している場合の費用感や注意点は、Shopify構築をフリーランスに依頼する費用相場の記事で詳しく整理しています。本記事は「制作会社の選び方」に絞って進めます。
制作会社に依頼する費用相場(3パターン早見表)
制作会社の費用は、作るものの規模で大きく3段階に分かれます。一般的な相場感は次の通りです。なお金額は構築内容によって変動するため、目安として捉えてください。
| パターン | 初期費用の目安 | 主な内容 | 制作期間の目安 |
|---|---|---|---|
| スモール構築 | 30〜100万円 | 既製テーマのカスタマイズ、基本機能の設定、商品登録の一部 | 約1〜2か月 |
| オリジナル構築 | 100〜300万円 | オリジナルデザイン、独自機能、アプリ連携、CRO設計 | 約2〜4か月 |
| 大規模・システム連携 | 300万円〜 | Shopify Plus、基幹システム・在庫連携、越境EC、大量商品 | 約4か月〜 |
見落としやすいのが、初期費用とは別にかかる「継続費用」です。次のようなランニングコストを見積もり段階から計算に入れておきましょう。
- Shopifyの月額プラン料金(プランにより異なる)
- 決済手数料(売上に対して数%)
- 有料アプリの月額(在庫・レビュー・多言語など複数になりがち)
- 制作会社の保守・運用サポート月額
初期費用の内訳をもっと細かく知りたい場合は、Shopify構築費用の内訳を解説した記事を参照してください。ここでは「会社を選ぶための予算感の地図」として全体像を押さえれば十分です。
2. Shopify制作会社の選び方|失敗しない7つの基準
ここが本記事の核です。多くの比較記事は「実績」「料金」「サポート」の3〜4項目で会社を判断しますが、それだけでは発注後のミスマッチを防げません。発注者として確認すべき基準を7つに分け、それぞれ「具体的に何を見るか」まで掘り下げます。
基準1. 公式認定(Shopify Partners / Plus Partner)の有無
Shopifyには、パートナー向けの区分があります。広く「Shopify Partners」と呼ばれる仕組みがあり、大規模・高難度の案件を扱う構築会社向けには「Shopify Plus Partner」という上位区分も存在します。制作会社を比較する際の、一般的な確認ポイントのひとつです。
ただし、認定があるから絶対に安心というわけではありません。逆に、認定の表記がなくても、Shopifyに長く取り組み確かな実績を持つ会社は数多くあります。認定は「客観的な目印のひとつ」と捉え、最終判断は次の基準2以降の実績や運用経験と組み合わせるのが現実的です。
基準2. 自社と近い業種・規模・商品点数の構築実績
実績は「件数」より「中身」を見ます。アパレルとBtoB卸、商品10点と1万点では、設計の勘所がまったく違うからです。確認するポイントは次の通りです。
- 自社と近い業種・商材を手がけた事例があるか
- 商品点数・想定売上規模が近いか
- その事例で「何を解決したか」を具体的に説明できるか
事例ページでは、ロゴの数より中身を見てください。課題と成果がきちんと言語化されているか。説明が抽象的な構築会社は、自社の課題にも踏み込めないことが多いものです。
規模の幅も判断材料になります。たとえば私たちSOLSTARの場合、開発費10億円超の大規模EC構築や、年間売上60億円以上のShopify Plusサイトの長期運用に携わってきた一方、商品数の少ないブランドや初挑戦の事業者の構築も手がけています。「大きい案件しか」「小さい案件しか」やっていない会社より、自社の規模に近い実績があるかを軸に見たほうが、ミスマッチは起きにくくなります。
基準3. 「売れる設計(CRO)」に対応できるか
CRO(コンバージョン率最適化)とは、訪問者を購入につなげるための設計のこと。デザイン会社の延長で「見栄え」だけを整える会社と、購買導線まで設計できる会社とでは、公開後の数字がはっきり分かれます。商談で見極めたいのは、次のような点に具体的な答えを持っているかどうかです。
- ファーストビューで「何が買えるストアか」を一瞬で伝える訴求設計
- レビューやお客様の声を購入の後押しに使う導線
- 決済オプションの幅(カード・後払い・各種ウォレットなど)
- カゴ落ちを減らす工夫(送料の早期提示、入力項目の削減など)
- 公開後のABテストや改善を回した経験
「商品ページの構成やカート離脱対策はどう考えますか」と聞いてみる。データや根拠を交えて答えが返ってくれば、売上に効く設計ができる会社です。
基準4. 集客・運用・改善までワンストップで伴走できるか
売上が伸びるのは、たいてい公開した後の改善からです。構築だけで関係が終わる会社だと、「広告は別会社、改善は自社で」と分断され、施策のスピードが落ちます。構築・集客・運用・改善を一貫して相談できる体制があるか、確認しておきましょう。
もちろん、すべてを1社に頼む必要はありません。それでも「公開後はどう数字を伸ばすか」を一緒に考えてくれる相手は、長く付き合うほど効いてきます。
基準5. 見積もりの内訳と追加費用の条件が明確か
「一式 150万円」のような見積もりは要注意です。何が含まれ、何が含まれないかが不透明だと、後から追加費用が膨らみます。見積もり段階で「項目ごとに金額が分かれているか」「追加費用が発生する条件が書かれているか」を必ず確認してください。詳しい読み方はセクション3で解説します。
基準6. ローンチ後の保守・サポート体制
Shopify本体やアプリは頻繁にアップデートされます。不具合対応やちょっとした修正を誰が・どこまで・いくらで対応するのかを、契約前に明確にしておきましょう。確認すべきは次の3点です。
- 保守の範囲(どこまでが月額に含まれ、どこからが別料金か)
- レスポンスの目安(問い合わせから何営業日で対応するか)
- 月額費用と契約期間
基準7. 担当者の事業理解度とコミュニケーションの相性
数か月を共にするのは、結局のところ担当者個人です。技術力が高くても、こちらの事業を理解しようとしない相手だと、要望が伝わらず手戻りが増えます。初回の打ち合わせで、相手が「自社のビジネスや顧客」について質問してくるかを見てください。技術の話ばかりで事業に踏み込んでこないなら、要注意。事例のなかで「説明が丁寧だった」「細かな調整にも対応してくれた」と評価される会社は、この相性の部分でつまずきにくい傾向があります。
3. 見積もり・契約前に必ず確認したいチェックリスト
会社の候補が絞れたら、次は見積もりと契約です。ここを丁寧に進めるかどうかで、発注後のトラブルがほぼ決まります。発注経験が少ない方ほど見落としやすいポイントを、具体的にまとめました。
見積書の読み方|「一式」表記と追加費用の条件
見積書を受け取ったら、まず「一式」とまとめられた項目を疑ってください。たとえば「デザイン一式」とだけ書かれている場合、修正は何回まで無料か、ページ数の上限はあるかが不明です。次の観点で分解されているかを確認します。
- 設計・デザイン・開発・テスト・商品登録などが項目別に記載されているか
- デザイン修正の回数や対応ページ数の上限が明記されているか
- 「追加費用が発生する条件」(仕様変更・ページ追加・アプリ追加など)が書かれているか
不明な項目は遠慮せず質問しましょう。質問への回答が丁寧で具体的な会社は、制作中のやり取りも安心できます。
相見積もり(2〜3社)の正しい取り方
相見積もりは2〜3社が現実的です。多すぎると比較しきれず、判断が遅れます。注意したいのは、各社にバラバラの要件を伝えると金額を比較できなくなる点です。次のように揃えましょう。
- 同じ要件書(やりたいこと・必須機能・予算・希望納期)を全社に渡す
- 金額だけでなく「対応範囲」と「前提条件」を横並びで比較する
- 極端に安い見積もりは、何が含まれていないかを必ず確認する
安さには理由があります。最安の1社に飛びつく前に、「その金額に何が含まれていないか」を見極めてください。
契約前に聞くべき質問リスト
契約書にサインする前に、次の項目を確認しておくと後のトラブルを防げます。口頭ではなく、できれば書面やメールで残しておきましょう。
| 確認項目 | 具体的に聞くこと |
|---|---|
| 保守範囲 | 公開後の修正・更新はどこまで対応か。月額に含まれる範囲と別料金の境界は |
| 著作権・データ所有 | 制作物の著作権は誰に帰属するか。ストアやデータの管理権限は自社に残るか |
| 納品形態 | テーマやソースコードは納品されるか。後から他社へ引き継げる形か |
| 納期遅延時の対応 | 納期が遅れた場合の連絡方法・対応・取り決めはあるか |
| 体制・窓口 | 担当者は誰か。連絡手段と返信の目安は |
特に「著作権・データ所有」と「他社への引き継ぎやすさ」は見落とされがちです。将来別の会社に乗り換えたくなったとき、自社にデータと権限が残っているかどうかは大きな差になります。
4. 目的別・タイプ別の選び方
「結局どんな会社を選べばいいのか」は、自社の目的によって答えが変わります。会社名を並べる代わりに、状況から逆引きできるよう4タイプに整理しました。自社に近いものを起点に、セクション2の7基準と照らし合わせてください。
スモールスタート重視(短納期・低予算)
まず小さく始めて市場の反応を見たい場合は、既製テーマのカスタマイズを得意とする会社が向いています。チェックすべきは「短納期の実績」と「最低限の機能で公開する割り切りに付き合えるか」。最初から作り込みすぎないことが、低予算で早く出すコツです。費用感はスモール構築(30〜100万円)が目安になります。
ブランド・デザイン重視(オリジナルテーマ)
世界観やブランド体験を重視するなら、オリジナルテーマ構築の実績がある会社を選びます。事例のデザインの幅と、ブランドの意図をくみ取る力を見てください。デザインだけでなく、基準3の「売れる設計」も両立できる会社だと、見た目と成果の両方を満たせます。費用はオリジナル構築(100〜300万円)の帯に入りやすくなります。
越境EC・多言語/多通貨対応
海外販売を狙う場合は、多言語・多通貨・海外配送・現地決済への対応経験が必須です。Shopifyは越境ECに強い反面、設定や運用には専門知識が要ります。越境ECの構築実績と、公開後の運用まで相談できるかを確認しましょう。
Shopify Plus・基幹システム連携などの大規模
大量商品、基幹システムや在庫管理との連携、複雑なカスタマイズが必要なら、Shopify Plusや本格的な開発を扱える開発会社が候補です。この領域は難度が高いぶん、構築会社・開発会社によって対応力の差が大きく出ます。基準1(認定)と基準2(同規模の実績)の比重を上げて選びましょう。費用は300万円〜が目安です。年商数十億円規模のPlusサイトを長期運用した経験があるかなど、踏み込んだ実績を聞いておくと安心です。
4タイプのどれを選ぶ場合も、最終的な決め手はセクション2の7基準です。タイプはあくまで「どの実績・経験を重点的に確認すべきか」の入口として使ってください。
5. よくある失敗と回避策
発注で起きるトラブルには、共通したパターンがあります。原因と回避策をセットで押さえておけば、同じ失敗を避けられます。
安さだけで選び、機能不足で作り直しになる
最安の見積もりで決めたものの、必要な機能が含まれておらず、結局追加費用や作り直しで割高になるケースです。原因は、要件を固める前に金額だけで比較してしまうこと。回避策は、発注前に「必須機能」と「あったら良い機能」を分けて要件書にし、その要件で各社に見積もりを取ることです。
運用・保守の総コストを見落とす
初期費用だけを見て契約し、公開後にアプリの月額や保守費がかさんで予算オーバーする失敗です。回避策は、セクション1で触れた継続費用を初期の段階で洗い出し、「初期費用+12か月の運用費」で総額を比較すること。安い初期費用でも、運用費が高ければトータルで逆転します。実際、他のプラットフォームやテーマからの移行・引き継ぎ案件に関わると、運用フェーズの設計が甘いまま公開されたストアは少なくありません。誰がどこまで運用を担うのかを、契約前に決めておくほど後が楽になります。
目的・KPIが曖昧なまま制作を始める
「とりあえず作る」で始めると、判断の軸がなく手戻りが増えます。回避策は、制作前に「誰に・何を・どう売り、どの数字を伸ばしたいか」を言語化しておくこと。目的が明確だと、制作会社も的確な提案ができ、公開後の改善もスムーズになります。良い制作会社は、この目的整理から一緒に考えてくれます。
6. よくある質問(FAQ)
発注を検討する方から特によく寄せられる質問を、まとめて整理しました。
制作会社に頼むと費用はいくらかかりますか?
規模によって幅があり、既製テーマのカスタマイズ中心のスモール構築で30〜100万円、オリジナルデザインや独自機能を含むと100〜300万円、Shopify Plusや基幹システム連携を伴う大規模だと300万円〜が一般的な目安です。参考までに、料金を公開している会社もあり、SOLSTARの場合はBasicプラン110万円〜、Standardプラン220万円〜、大規模対応のProは要見積もりとしています。月額型で始めたい場合はサブスク型サービス(SOLSTAR EXPRESSは初期55,000円・月額36,500円〜)という選択肢もあります。いずれも初期費用に加え、月額プラン・決済手数料・アプリ費などの継続費用を合わせて考えてください。
個人事業主でも依頼できますか?
多くの制作会社は、法人・個人を問わず対応しています。小規模やスモールスタートであれば、既製テーマのカスタマイズやサブスク型の構築サービスを使うと、初期費用を抑えながら短期間で公開できます。商品数が少ないブランドでも、プランを絞り込めば過剰な投資をせずに始められます。
制作期間はどのくらいかかりますか?
内容によりますが、スモール構築で約1〜2か月、オリジナル構築で約2〜4か月、大規模で約4か月以上が目安です。要件がシンプルで素材が揃っていれば、数週間でローンチできるケースもあります(SOLSTARの実例では、BASEからの移行を伴うストアを3週間で公開した事例や、新規ストアを約2か月で予定通り立ち上げた事例があります)。納期は素材の準備状況や確認のやり取りの速さにも左右されるため、見積もり時に前提条件まで確認しておくと安心です。
Shopifyの公式認定は必須ですか?
必須ではありません。「Shopify Partners」や上位区分の「Shopify Plus Partner」といった区分は、会社選びの客観的な目印のひとつにはなります。ただし認定の表記がなくても、Shopifyに長く取り組み確かな構築・運用実績を持つ会社は数多くあります。認定の有無だけで判断せず、自社に近い実績や公開後の運用経験と合わせて見るのが現実的です。
公開後の運用も依頼できますか?
ワンストップ対応の会社であれば、構築後の運用・改善まで継続して依頼できます。商品登録やデザイン修正、データ分析に基づく改善などを月額で任せられるケースが一般的です。SOLSTARも設計・構築から公開後の運用・改善まで一貫して伴走するスタイルを取っており、年商数十億円規模のShopify Plusサイトを長期運用してきた経験があります。長く付き合う前提なら、運用まで見据えて会社を選んでおくと、後から体制を組み直す手間を省けます。
7. まとめ|選び方の要点とSOLSTARの伴走型サポート
Shopify制作会社選びは、費用相場の地図を持ったうえで、次の7基準で見極めるのが近道です。
- 公式認定の有無を入口にする
- 自社に近い業種・規模・商品点数の実績があるか
- 見た目だけでなく「売れる設計」に対応できるか
- 集客・運用・改善まで伴走できるか
- 見積もりの内訳と追加費用の条件が明確か
- ローンチ後の保守・サポート体制が整っているか
- 担当者が事業を理解し、相性が合うか
そのうえで、見積もりは「一式」を分解し、相見積もりは同じ要件で2〜3社、契約前に著作権・データ所有・納品形態・納期遅延時の対応を確認する。この流れを踏めば、発注経験が少なくても自社に合う会社を選べます。
SOLSTARは、Shopify開発歴8年以上のスタッフを擁するShopify専門の構築会社です。設計・デザイン・開発から公開後の運用・改善まで、ワンストップで伴走しています。料金はBasic110万円〜・Standard220万円〜と公開しており、月額型のSOLSTAR EXPRESSや自社テーマ「CREAM」を使ったスピード構築にも対応します。「自社の場合いくらかかるのか」「どのタイプの構築が合うのか」を整理したい段階でも構いません。相見積もりの1社として、まずは気軽に無料相談・お問い合わせからご相談ください。見積もり・相談は無料です。